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手・腕のシビレ(絞扼性末梢神経障害)

絞扼性末梢神経障害(腕・手)

手のシビレが不安で色々調べた挙句に脳卒中、リウマチ、糖尿病と色々な病気を疑いいろんな病院を回ってみても異常がない…何科に相談していいかわからない…でも手のしびれが良くならないとお困りのあなたへ。

ご存知でしたか?手だけでも8カ所も神経の邪魔をする所があるんです。

各疾患に共通することは関節の歪みによって神経が通る骨製のトンネルが狭まっていたり、筋・筋膜が縮むことや靭帯が腫れることで神経が圧迫されていることです。ホルモンバランスの影響で起こりやすい変化のため更年期の女性にみられることが多いことが特徴です。
各症状の特徴をとらえて正確な検査で骨・筋・筋膜の異常なところを見付けだして改善すると症状が改善されやすい疾患が多いことも特徴です。

回内筋症候群

手のひらを下に向ける(回内する)筋肉のことを円回内筋と言います。
円回内筋の下を神経(正中神経)が通過するため、円回内筋が縮み硬くなることで圧迫されて痛みや痺れなどの感覚障害、母指と人差し指が曲げにくくなって筋肉の衰えなどの症状が現れる状態です。
テニスのフォアハンドやボーリング、野球など上肢を使う競技でよく見られます。
スポーツ競技だけではなく、小さなノートパソコンを使用するなど、手のひらを下に向けた状態で作業を繰り返すような一般の人たちにも起こりうる障害疾患なので注意が必要です。

前骨間神経症候群

正中神経から枝分かれした前骨間神経が圧迫されることで親指と人差し指の第1関節を曲げることができなくなる状態。
で親指と人差し指を曲げることが出来ないため、丸を作らせると親指の第1関節過伸展(そり返り)、人差し指の第1関節過伸展となり、涙のしずくに似た形となり、“涙のしずくサイン”陽性になります。前骨間神経は運動のみの神経のため感覚異常は起こりません。

後骨間神経症候群

橈骨神経から枝分かれした後骨間神経が圧迫されることで手指の付け根の関節の伸展(反りかえること)ができなくなる状態。
手首の背屈は可能ですが、手指の付け根の関節の伸展ができなくなり、指のみが下がった下垂指になります。後骨間神経は運動のみの神経のため感覚異常は起こりません。

肘部管症候群・遅発性尺骨神経麻痺

肘のところで尺骨神経が圧迫されることで手の小指側のしびれと共に筋肉の萎縮による指の変形を生じる状態。
萎縮・変形が進むと、鷲の手のようになるので鉤(かぎ)〔鷲〕爪手(つめて)とよばれる変形後起こります。

手根管症候群

手関節の骨、靭帯(屈筋支帯および横手根靱帯)が作る空間を通過する正中神経が圧迫されることで親指、示指、中指にしびれや痛み、筋萎縮が生じている状態。
中年女性の利き手に多い。朝方や特に深夜にしびれや痛みが増強しやすく、痛みで目が覚めることもある。

ギヨン管症候群(尺骨神経管症候群)

手の平の小指側にある肉の盛り上がり(小指球)にある尺骨神経の通り道(ギヨン管)で尺骨神経が圧迫を受けることで、小指と薬指の小指側(尺側)にシビレがあらわれる状態。
肘部管症候群と異なり甲側のシビレはない。

Wartenberg症候群(橈骨神経浅枝麻痺)

親指と人差し指の甲側の感覚を伝える橈骨神経浅枝が通過する椀橈骨筋の筋膜が肥厚したために絞扼されることでシビレなどの感覚異常が生じている状態。
橈骨神経浅枝は知覚枝であり、感覚神経のため手関節、指の動きは正常であることが特徴です。

Bowler’s thumb

母指の付け根の部分で指神経が硬いもので圧迫され、親指にしびれや痛みを生じている状態。ボーリングのやり過ぎや、ボール穴と指のサイズが合わないボールを投げ続けたことによって圧迫されることでおこります。

>絞扼性末梢神経障害の治療

ココに挙げた疾患の治療はごく簡単なものから難しいものまで様々です。

神経を圧迫している筋・筋膜、関節の動きを改善することで症状の改善が望まれる疾患ではありますが、共通して言えることは異変を感じた時に早期に処置を行うことが改善の鍵になることです。「完全にシビレてしまう」「動かなくなってしまう」状態になってからではダメージを受けた神経が自分の力では修復できない状態となってしまっている可能性があるため手遅れになりかねません。

少しでも違和感がある時はいち早く処置を受けてください。

手・肘・腕の痛み、シビレ

手・肘・腕の痛み、シビレ

手・肘・腕の痛みやシビレは手首の腫れがあったり、手をつく・手を握ると手・手首・肘が痛む等の関節の不安定性(可動性亢進)・炎症性や硬縮によるものや、手首のところで神経が圧迫される手根管症候群、肘のところで神経が圧迫される肘部管症候群、首のところで神経が圧迫される胸郭出口症候群などで肩から腕・肘・手に痛みやシビレが起こる絞扼性末梢神経障害、心臓血管系や消化器関連の不調による内臓関連痛などがあり、お悩みの症状の詳しい聞き取りと分析からそれぞれに合った正しい施術を行う必要があります。

ご存知ですか?
薬や注射では手・肘・腕の痛みやシビレの根本的な解決にならないことを

  • 手の痛みでキーボードが打てない
  • タオルを絞ったときに手や肘が痛む
  • 病院での検査では異常は無いがズッとシビレがある
  • 整骨院のマッサージでは一瞬でもどる
  • 早く良くしないと家族・会社の仲間に迷惑がかかる

ギプス固定後、指が動かなくなった60代女性の症例

症状

手首の骨折(コレス骨折)のギプス固定終了後、1か月経過しても指の動きがほとんど戻らなかった60代女性。

固定が長引いたことも災いして筋肉が縮んで硬くなることで神経を圧迫する神経絞扼障害(回内筋症候群)を起こしており、神経・筋機能の著しい低下と癒着があり、指を曲げると激しい痛みがともなう状態で痛みにも過敏な状態でした。

治療経過

1回目の治療
特殊鍼療法で過敏な状態からの脱却に集中した治療をおこないました。

2~5回目の治療
治療では特殊鍼療法と神経と筋の癒着除去をおこない、動作時の痛みはほぼなくなりました。

4回目の治療
運動療法も取り入れていくことで指の動きは90%以上が回復したため、4回目より苦手動作の克服のため積極的に家事などの日常作業をこなしてもらい運動の微調整をおこないました。

現在は2週に1回のペースで残りの10%の動きの回復に励んでおります。

手・肘・腕の痛みの治療

手・肘・腕の痛みやシビレを起こす問題は「ケガの固定など “しばらく使わなかったため”起こるもの」と、「仕事・家事・スポーツなどで“使い過ぎたため”起こるもの」にわかれます。

どちらの問題に対しても筋・筋膜・関節の治療を得意とするオステオパシー治療は有効です。合わせて鍼治療もおこなうことで手では届きにくい骨の際にある筋肉の治療がおこなえるため動きやすさと安定感の両方をいちどに取り戻す治療が可能になります。

動きやすさと安定感の相反するふたつの能力を回復させる治療を一手におこなえるのは当治療室のみです。手・肘・腕の痛みやシビレでお困りの際はお気軽にご相談下さい。

手・肘・腕の痛みやシビレをともなう疾患

詳しい治療方法は各ページをご覧ください