肩こり・首こり・ストレートネックの原因②骨・関節性(頸椎症③)
頸椎症の種類①『骨棘』
骨同士のブリッジ『骨棘』
~骨棘ができ、靭帯が厚くなるのは関節の安定化に向けた自然な反応~
椎間板や椎間関節のガタつきによって、椎骨同士がぶつかり、椎体の縁に骨棘という棘のようなでっぱりができてきます。
骨棘は椎体の外側にも出ますし、椎間関節の中にも出てきます。
それだけでなく周囲の靭帯も厚くなってきます。
実はこれらは、ガタついている関節を安定化しようとする体の自然な反応です。
骨棘が脊髄や神経根(脊椎から出ている末梢神経)を圧迫したり刺激したりして痛みやしびれが発生している場合には、保存治療や手術治療を行いますが、症状がなければ骨棘ができるのは何も悪いことではありません。
むしろ、上下の椎体から鳥のくちばしのように骨棘が前に出てきてブリッジをつくると、究極的には骨同士がくっついて不安定性が解消され、安定した関節になります。
ご高齢の方で、首が前に出たまま固まって動かなくなっている方をお見かけすることがありますが、あれは加齢による頚椎の自然な経過であり、ある意味、変形性頚椎症の「なれの果て」の状態なのです。
椎間板や椎間関節のガタつきによる首こりや肩こりも、骨棘のブリッジができると自然に解消されます。
頚椎症性の脊髄症と神経根症
椎間板や椎間関節のガタつきによって、骨棘が椎体の内側に出てきて、脊髄にあたると頚椎症性脊髄症の症状が、神経根にあたると頚椎症性神経根症の症状が現れます。
頚椎症性脊髄症の症状
頚椎症性脊髄症の症状は、両手のしびれや痛みの感覚障害、ボタンがかけづらいなどの、手の動きの悪さ(巧緻性運動障害)が現れます。
脊髄の圧迫が続くと、足にも筋力低下や歩きづらさなどの症状が出てきます。
運動機能の低下が見られる場合には、手術を検討します。
頚椎症性神経根症の症状
頚椎症性神経根症の症状は、首から肩、腕へのしびれるような痛みです。
神経根は脊髄から左右に分岐したばかりの神経であり、圧迫を受けている側に症状が出ます(症状は片側のみ)。
神経根症では、多くの場合、手術をしないで保存療法で改善を図ります。
だいたい6ヵ月から24ヵ月くらいで症状が改善します。
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