3層目の筋肉「後頭下筋群」のこりをとる、首こり改善運動
首こりは首の深層筋のこりですが、その首の深層筋というのは「後頭下筋群」のことです。
首の筋肉は3つの層からなっています。
手では触れられない
1層目の筋肉は僧帽筋です。
僧帽筋は首から肩、背中までを覆う大きな筋肉です。
その下に2層目の筋肉の頭半棘筋と頭板状筋があります。
後頭下筋群は、それらのさらに下にある3層目の筋肉です。
後頭下筋群は、
「大後頭直筋」「小後頭直筋」「下頭斜筋」「上頭斜筋」の片側で4つ、両側で8つからなる筋肉の総称です。
頭と首をつなぐとともに、首の動きを担っています。
後頭下筋群は1、2層目の僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋に覆われているため、首を上から触っても確認することはできません。
一般的なマッサージや押圧といった方法では、後頭下筋群のこりを十分ほぐせないため、多くの人が長年首こりに悩まされ続けてきたのです。
癒着をはがし個別に動かす
どうすれば後頭下筋群のこりをほぐせるのでしょうか。
こりを改善するカギは「血流促進」です。こり固まった筋肉では血流障害が起きています。
筋肉を動かすことで、筋肉の筋ポンプ作用(筋肉の収縮・弛緩の動きで血液を末梢から心臓に戻す作用)によって血流が促進され、効果的にこりを改善することができます。
ところが、こり固まった筋肉では筋肉どうしが軽度な癒着を起こして動きにくくなっています。
こり固まった後頭下筋群も、表層の筋肉と癒着して動かしにくい状態に陥っているため、首こりを改善するには、後頭下筋群の癒着をはがしてから、個別に効果的に筋肉を動かして、血流を上げる必要があります。
その方法として4つの首こり改善運動を紹介しています。
4つの運動のうち、1番目と2番目の運動が後頭下筋群を動かす運動です。
1番目の「首振り運動」は
首顔を横に向ける回旋系の筋肉をターゲットにした首の回旋運動で、
2番目の「あご上げ運動」は
首顔を上に向ける伸展系の筋肉をターゲットにした首の伸展運動です。
首ほかの筋肉と連動させずに3層目の筋肉だけを個別に動かすことで、3層目と2層目の筋肉の軽度な癒着がはがれ、筋ポンプ作用によって血流が促進されます。
3番目の「枕押し運動」は、
首振り運動・あご上げ運動とは逆に、2層目の筋肉を収縮させて、3層目との間で生じている癒着をはがします。
2層目と3層目の筋肉の間には大後頭神経という、頭痛に関係する神経が運っています、ここの癒着がはがれて神経への圧迫が解消されれば、首こりが原因の頭痛もよくなっていきます。
4番目の「あご下げ運動」は、
筋肉の神経生理学的な作用を利用した首のストレッチとリラックス法です。
首の前側の筋肉を収縮させて、首の後ろ側の筋肉をゆるめます。
この4つの運動を順番に1日3回行います。
この4つの運動を続けることによって、こり固まっていた筋肉のこりがとれ、首こりが解消していきます。
首こりある方に治療と並行して、この運動を2週間毎日やってもらったところ、首こりでうがいができない、車の運転で後方確認ができない、首が重くてつらい、一日中頭が痛いといった症状が見事によくなり、大変よろこんでいただきましたし、 首の可動域も首のこりも統計上有意に改善していました。
次のブログで、この4つの運動を実践していきますので、つらい首こりに悩んでいる人はぜひ行ってみてください。
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