肩こり・首こり・ストレートネックのセルフケア②『ドーサル・ストレッチ』|骨・関節性(頸椎症)
頚椎症と姿勢・動作の関係
望ましくない姿勢や動作を習慣的に行っていると、関節に常に力学的負荷がかかり、関節を傷めてしまいます。
頚椎症は退行変性疾患(加齢に伴って起こる疾患)ですが、不適切な姿勢・動作をしていると疾患をより進行させてしまいます。
首にやさしい体の動かし方を身につけましょう。
下を向くには下を向く姿勢がある
「胸椎・骨盤と連動して首を動かす」
可動性をチェック
頚椎症は、最初に椎間板の機能が低下して椎間板腔が狭くなる「椎間板症」や椎間関節に変性が生じる「椎間関節症」が起こります。
次に椎間板が変形する「椎間板ヘルニア」や靭帯のゆるみや椎間板・椎間関節の変性で椎骨がずれる「すべり症」が起こり、脊柱管狭窄症へと進みます。
頚椎症は加齢によって脊柱が変性していく退行性疾患ですが、実は、不適切な姿勢や動作が疾患を進行させています。
たとえば、
高齢になると背中が丸まってきますが、肩甲骨が外側に開いた猫背の姿勢で首を上に向けると、首の骨に大きな負担がかかり、椎間関節の変性を進めてしまいます。
逆に胸を張った姿勢は若々しくていい姿勢に見えますが、肩甲骨が内側に寄った胸を張った姿勢で頭を下に向けると、首だけを無理に動かすことになり、椎間板の変性を進めてしまうことになりかねません。
私たちは日常生活の中で何気なく上を向いたり、下を向いたりしていますが、下を向くには下を向く望ましい姿勢が、上を向くには上を向く望ましい姿勢があるのです。
首を横に傾けるときや首を回すときも同じです。
望ましい姿勢というのは、
首から下の胸椎や骨盤といった土台の部分の姿勢を指します。
首の基本運動である、屈曲(前に倒す)、伸展(後ろに反らす)、側屈(横に倒す)、回旋(回す)の運動を行うときに、首に負担がかからない正しい土台を紹介します。
頚椎症のセルフケアのためにまずは胸椎・腰椎に首の運動の土台を担うだけの可動域を作るドーサル・ストレッチをしっかりと行いましょう。
ドーサル・ストレッチ
胸椎・腰椎を3つの姿勢でストレッチしていきます。
屈曲
仰向けの姿勢から上体を起こしてひじで支える。
顔は正面に向ける。
ひじが肩の下にくるくらいまで無理なく上体を起こせたらOK。
深呼吸を3回行ってください。
伸展
うつ伏せの姿勢から上体を起こしてひじで支える。
顔は正面に向ける。
ひじが肩の下にくるくらいまで無理なく上体を起こせたらOK。
深呼吸を3回行ってください。
側屈
横向きに寝た姿勢から上体を起こしてひじで支える。
脊柱が動画のような自然なカーブを無理なく描けたらOK。
深呼吸を3回行ってください。
向きを変え反対側も同じように行ってください。
回旋
横向きに寝た状態からゆっくりと体を回旋して(捻じって)いく。
鳩尾より上の高さにある胸椎(背骨)を無理なく回旋できればOK。
深呼吸を3回行ってください。
向きを変え反対側も同じように行ってください。
当院では施術に加えてドーサル・ストレッチを行うことで肩や腕、手のこり・しびれ・痛みの改善に大きな成果を上げています。
肩や腕、手のこり・しびれ・痛みにお困りの方はぜひお試しください。
※これらは体に負担の少ない体操ですが、万が一、強い痛みを感じる場合は、動きを小さくするか、体操を中止してください。
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